データ測定が上手くいかない場合、アンプの設定またはシールドの設定に間違いがある可能性があります。
アンプの設定には、標準ケーブル用とヘッドステージ用があります。
シールドの設定には、GNDとドリブンシールドがあります(表1参照)。
ここでいうドリブンシールドとは、シールド線に電圧を掛けることで静電容量による信号のロスを防ぐ、電気シールド方法を指します。ドリブンシールドを差動測定のGNDとして使用することはできません。
<表1. シールドの設定>
Model | 標準ケーブル | ヘッドステージ |
1700 | GND、ドリブンシールド | GND |
3000 | ドリブンシールド | GND |
【アンプの設定について】
アンプの初期設定は、購入時にヘッドステージを購入したか否かに依ります。ヘッドステージを購入していればヘッドステージ用、購入していなければ標準ケーブル用になっているはずです。最初にヘッドステージを購入せず、後から購入した場合はアンプ内部の設定を変更する必要があります。
【アンプの設定の変更方法】
●Model1700の場合
メーカー対応となるため、弊社までお問い合わせください。
●Model3000の場合
1. 筐体のカバーを開け、図1に従ってボード上の所定のジャンパーを探します。
アンプの設定をヘッドステージ用にする場合、ジャンパーをH側に設定してください。標準ケーブル用にする場合は、ジャンパーをHと反対側に設定して下さい。
<図1>
2. アンプの設定をヘッドステージ用に変更する場合、キャリブレーションが必要です。
1)フロントパネルの設定を下記の通り設定してください。
・HIGH PASS: DC
・NOTCH: OFF
・CAPACITY COMP: 反時計方向に回し切る
・DC OFFSET: OFF
・ΩTEST: OFF
・MODE: REC
2)ヘッドステージのリード線3本をフロントパネルのGNDに繋ぎます。
3)OUTPUTをモニターできるようにします。
4)筐体内部のボード上のR41のトリムを回し、モニターに表示される出力が0Vになるように設定します。
【シールドの設定について】
シールドの設定を変更できるのは、表1のとおりModel1700で標準ケーブルを使用する場合だけです。それ以外の場合、シールドの設定はGNDまたはドリブンシールドのいずれかにしか対応していません。
【シールドの設定の変更方法(Model1700のみ対応)】
各チャンネル毎に設定できます。
1. シールド設定がGNDかドリブンシールドかを確認します。
設定を変更したいチャンネルのピンHとフロントパネルのGND間の抵抗値を測ります<図2参照>。抵抗値が10Ω未満の場合そのチャンネルのシールドはGNDに設定されています。
<図2>
2. 必要に応じてシールドの設定を変更します。
筐体のカバーを開け、設定を変更したいチャンネルのボードにある2つの大きなコンデンサーを探してください。
コンデンサーの近くには黒いジャンパー(J100)があります(図3参照)。ジャンパーは3つのピンのうち2つに跨っています。GNDと書かれた側の2つのピンに跨っていればシールドはGNDに設定されており、そうでないほうに跨っていればドリブンシールドに設定されています。
<図3>
以上